①洗い出し外壁のお家 室内リノベーション

I様邸 着工前(既存建物)

ご購入された中古物件をリノベーションをさせていただきます。

昭和56年に建築された洗い出しの外壁に和瓦のお家。
売主様が当時こだわって建築されたこと、お住いの間はお手入れをされていたことが窺えました。
古い建物ですが、外観的には瓦はつやつや、洗い出しの外壁は汚れも目立たず、きれいな状態に見えます。しかし、しばらく空家だったこともあり、水道管の腐れやベランダの防水の劣化、浴室周りの木の腐れ、白蟻被害、断熱材の不備、床下地が腐れ床がぶよぶよしていたり、建具や設備も古くかなり歴史を感じます。

外観 着工前(既存建物)
洗い出しとは

セメントモルタルに砂利や玉石など骨材を入れて塗り固まる前に表面を洗って砂利や玉石の頭部分を露出させる方法です。
その名の通り、洗い出して仕上げる方法であり古くから行われている伝統的な左官仕上げ工法。
和のテイストを感じられる上品な趣があります。

今回のリノベーションは、室内の1階部分をがらりと変えます。
外観は、基本的にこのままですが、室内部分で間取りが変わり、既存の窓を壁にしたり、新たに窓を新設する部分もありますので、外壁は、既存部分の洗い出しの壁を補修と新たに施工する部分があります。

建築資材や住宅建築に付随する諸々、色々なものの価格が高騰しています。
外観も瓦を変え、外壁は塗り壁にしてかわいいプロヴァンス風のお家にする案もありましたが、大きな工事になりご予算もかなり大きくなります。
施主様と何度も話し合い、今回はこの外観をそのまま保ちつつ室内を重視した施工をします。
やりたいことや作りたいものは無限ですが、予算には限りがあります。
有限のご予算の中で、どこに重きを置くかが大切になります。
弊社でも24年の歴史の中で、初の洗い出しの外壁施工になります。
アンティークの外壁のイメージがあるエールホームですが、洗い出しの外壁も和のアンティーク??
なんだか斬新です。
この外観からの室内のギャップが楽しみな現場になります。

内観 着工前(既存建物)

間取り 着工前(既存建物)
間取り リノベーション後


今回は1階部分の20坪ほどの空間を施工します。
2階部分はお引渡し後、施主様ご家族でゆっくりDIYです。
それも斬新で、楽しいと思います。
リノベーションには、色々なかたちがあって良いと思っています。


そして間取りも斬新です。
既存の玄関はそのまま残しますが、実際はほぼ使わないので土間部分を縮小し床を広げます。
そして別に玄関を新設します。
広々していた玄関ホールとトイレ、洗面、浴室があった部分までがワンフロアーでつながり、キッチンなどの生活空間をコンパクトにしてまとめました。
キッチンはミニキッチンを、浴室は、シャワーだけを入れます。
どのような暮らし方をするかで、心地よい間取りや住む人にとって必要な間取りは異なります。
当初は持ち家のある施主様が、立地の良いこの家を、お母様の介護のためにご購入されました。
生活空間をコンパクトにまとめ、広い空間がある間取りは、そのためです。
着工直前に諸ご事情で予定が変わってしまい、現在は20代の娘さんが中心に施主様もお住まいになる予定のお家になりました。間取りは変更も可能でしたが当初のまま施工することになりました。
広い空間は、趣味を充実させたり、お仕事柄たくさんの方との交流がある娘さんが、若い同世代で集う空間として利用できたりと、今後も色々な価値を見いだす斬新な空間になりそうです。

リノベーションでは、解体してみなければわからないことも多く、抜いても大丈夫な柱と、残さなくてはいけない柱があります。
今回も、残さなくてはいけない柱があり、壁を設けた部分もありますが、生活空間とリビングのような空間がワンフロアーずつの間取りとなっています。
住まいの概念は、住む人それぞれだと再認識できる斬新な現場になりそうです。